はじめに
こんにちは。ネットワークエンジニアの「だいまる」です。
今回は、セグメントルーティングの1つであるSRv6で利用される「Unreachble Prefix Annnouncement(UPA)」について、まとめていきたいと思います。
まだ、検討段階の技術のため、DraftやCiscoの公表動画に書かれていることをまとめていきます。
UPA(Unreachble Prefix Annnouncement)とは?
UPA(Unreachble Prefix Annnouncement)は、「到達不可となった経路が含まれる集約経路に対し、一部経路が到達不可となったことを通知する機能」になります。
UPAは、PE1/PE2が持つ経路をABRで集約し、PE3に広報している状況で役に立ちます。
その理由は、UPAを適用しない場合に発生する事象になります。
PE1がDownした場合、BGPのWithdrowメッセージによる更新が完了しない限り、PE3では検知できないため、PE1向けのトラフィックは、ABR上でブラックホール状態(宛先がなくNullとして破棄)になります。
この時間を短縮させるために利用されるのが「UPA」です。
UPAの動作は比較的簡単らしい
UPAの動作を理解することは比較的簡単だと言われているみたいです。
具体的には、PE Downを検知した際に、IGP(ISIS・OSPF)のメトリックを最大値以上に設定しメッセージを送信するだけです。
メッセージを受信したルータがUPAメッセージを認識できることが前提ですが、到達不可となった経路に対し、BGP-PICを発動したり、特定経路に対してはNull0とすることでブラックホール状態を防ぎます。
UPAを利用する際にABRルータの1つでもサポートしない場合、想定外の動作を起こす可能性があるため、全ルータへの設定が推奨されているようです。
想定外の動作とは、UPAをサポートしない一部ルータからはIGPの通常メッセージとして広報されるため、ブラックホール状態が発生してしまいます。
最後に
今回は、検討が進められているUnreachable Prefix Announcement(UPA)についてまとめました。
SRv6の概要やCMLでの確認の記事も投稿していきます。