はじめに
こんにちは。ネットワークエンジニアの「だいまる」です。
今回は、前回に続くCCNAとCCNPによく出てくる「SD-ACCESS」について、アウトプットとしてまとめてみました。
SD-ACCESSとは?
SD-ACCESSとは?
SD-Accessとは、Cisco DNAセンタを利用したIBNを実現するためのSDNソリューションとなります。
このSD-Accessを利用することで得られる利点は主に4つあります。
「自動化」、「ポリシーのわかりやすさ」、「アシュランス(保証)」、「統合」です。
項目 | 詳細 |
自動化 | ZTPやプラグアンドリプレイによるプロビジョニングが容易 |
ポリシーのわかりやすさ | セグメンテーションとグループベースのポリシーを実現 |
アシュランス(保証) | 迅速かつ柔軟な問題解決やキャパシティ設計が可能 |
統合 | サードパーティ製の製品も導入可能 |
SD-ACCESSのアーキテクチャ
SD-ACCESSの主なアーキテクチャは「アプリケーション層」、「コントロール層」、「インフラストラクチャ層」の3要素から構成されています。
上記アーキテクチャに加え、インフラストラクチャ層を構成するネットワークでは、「論理ネットワーク(オーバレイ)」と「物理ネットワーク(アンダーレイ)」の2層に分けられます。
「論理ネットワーク(オーバレイ)」では、データプレーンを「VXLAN」、コントロールプレーンを「LISP」、ポリシープレーンを「Trust Sec」で運用しています。
また、L2フラッティングやARPフラッティングもないのが特徴です。
一方で、「物理ネットワーク(アンダーレイ)」は、L3接続かつOSPFやIS-ISのIGPを利用し、L2プロトコルであるSTP/RSTPは不要となっており、MTUは「9100」が推奨となっております。
SD-ACCESSの構成要素
アーキテクチャの次はSD-ACCESSの構成要素についてです。
SD-ACCESSを構成する要素はかなり多く「10個」存在します。
項目 | 詳細 |
WLC | 数多く設置されるAPを集中管理するコントローラ |
DNA Center | SD-ACCESS全体を管理するコントローラ |
ISE | ユーザ認証やTrust Secで利用されるコントローラ |
フュージョンルータ | ボーダーノードと共有サービス(上記3つ)を接続するルータ |
ボーダノードルータ | SD-ACCESSファブリックと外部ネットワークを接続するルータ |
Cプレーンノード | LISPマップサーバの役割をもつノード |
エッジノード | 拡張ノードやエンドポイント、APと接続するためのノード |
アクセスポイント(AP) | 無線を利用するエンドポイントの接続ノード |
拡張ノード | SD-ACCESSファブリック拡張のため、L2NWを構築するためのノード |
エンドポイント | ユーザ端末 |
Cisco DNA Centerとは?
Cisco DNA Centerとは、有線・無線ネットワークの設計やプロビジョニング、ポリシー適用、作成などのオペレーションをGUIで実現することができます。
このコントローラで実現可能な設定は、全部で8つあるようです。
項目 | 詳細 |
設計 | NW階層の設定やDHCPなどの基本設定を行う機能 |
ポリシ | IPやグループ等に定義したポリシーの作成と適用を行う機能 |
アシュランス | ネットワークや機器のモニタリングを行う機能 |
ディスカバリ | CDPやLLDP、IPアドレスレンジを用いてデバイス検出を行う機能 ※到達性の確認:ICMP/SNMP/NETCON/HTTPSを利用し確認する |
トポロジ | ネットワーク機器の物理的な配置場所の可視化 |
コマンドランナ | CLIコマンドの実行 |
ソフトウェア更新 | 最新バージョンにアップグレードする機能 |
バックアップと復元 | バックアップファイルの作成や復元を行う機能(Cisco DNA Centerの移行等) |
試験に頻出するWLCとは?
WLCは、「数多く設置されるAPを集中管理するコントローラ」です。
WLCのポート構成には、「物理」と「論理」の2つがあります。
物理ポートは全部で4つ存在します。
ポート名 | 詳細 |
コンソールポート | コンソールケーブルによってPCと接続し、障害対応や初期設定を行う |
ディストリビューションシステムポート | LANケーブルでスイッチと接続し、データ・管理トラフィックを流し、LAGに対応 |
サービスポート | ※アウトバウンド管理 | LANケーブルでスイッチと接続し、障害やメンテナンスで利用
冗長ポート | LANケーブルでWLCと接続し、冗長化のために利用 |
次に論理ポートについては、4種類存在します。
ポート名 | 詳細 |
サービスポート IF | サービスポートと関連づけられるIF |
管理 IF | WLCの管理用インタフェースやWLC間の通信制御等で利用するIF |
仮想 IF | 代理DHCPサーバやWeb認証等の宛先になる仮想IF |
動的 IF | SSIDとVLANのマッピングを行うIF |
また、WLCにはローカルWebAuthという機能があり、ブラウザが利用可能であれば、WLCのローカルデータベースを利用してログインが可能となる機能になります。(L3 Layerタブからの設定が可能)
SD-ACCESSのAccess Point(AP)とは?
最後にSD-ACCESSファブリックで利用するアクセスポイント(AP)についてまとめていきたいと思います。
現状学習している範囲のAPのモードとトンネル構築プロセスの2点をまとめていきます。
設定可能なモード
APでの設定可能なモードは8つあります。(表で説明)
モード名 | 詳細 |
Local | 通常のモード |
FlexConnect | WAN経由でWLCと接続する際に利用するモード(WLC切断時でも問題なし) |
Monitor | 不正AP検出やIDSとして動作 |
Rogue Detecotr | 有線NW上で不正なAPやクライアントを検出するモード |
Sniffer | 特定のチャネル上の全パケットを収集し、指定デバイスに送信する |
Bridge | APがブリッジとして動作するモード(距離の離れたAPの中継に利用) |
SE-Connect | スペクトラムアナライザ |
Sensor | リアルタイムでネットワーク内のクライアント接続問題を解決する |
CAPWAPトンネルの確立
WLCとAPはCAPWAPトンネルを確立し、WLCとの通信を行います。
最後に
今回はCCNAやCCNPでよく出てくるSD-ACCESSについて、勉強したので簡単にまとめてみました。
正直、この辺りは触ったことがないので全然イメージが掴めないので机上で覚えていくしかないですね。
引き続き勉強をしてアウトプットをしていきたいと思います。
-
ネットワーク
【ネットワーク】BGP Unnumbered(RFC5549・8950)について
-
ネットワーク
【ネットワーク基礎・入門】STP/RSTPのPriorityやパスコストを復習してみた(CCNA)(読了目安:5min~10min)
-
ネットワーク
【ネットワーク入門】BGPの基本となるTier/BRIB/Peer/メッセージタイプについて
-
ネットワーク
【ネットワーク基礎・入門】VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)をちょこっと深掘りしつつまとめてみた
-
ネットワーク
【ネットワーク入門】意外とわからない?RIB・FIBの違いとは?
-
技術
【SRv6/SRMPLS】SR-MPLS(概要:SID/FEC)